2026年7月のSEO振り返りレポート

2026年7月は、「順位が大きく動いた」という声をあまり聞かない、静かな一カ月でした。コアアップデートの告知もありません。順位の上下を追いかけている方にとっては、少し拍子抜けの月だったかもしれません。

けれど、こういう月こそ、少し先を見て手を打っておくのに向いています。実は7月に、ひとつだけ見逃したくない発表がありました。GoogleがSearch Consoleに、これまでとまったく毛色の違うプロパティを追加する、というものです。機能追加としては地味な部類ですが、ここにはGoogleがいま何を確かめたがっているのかが、はっきり表れているように思います。

Search Consoleに「プラットフォームプロパティ」が加わりました

2026年7月7日、GoogleはSearch Consoleに新しいプロパティ種別「プラットフォームプロパティ」を追加すると発表しました。Instagram・TikTok・X・YouTubeといったSNSや動画のアカウントを、Search Consoleに登録できるようにするものです。

登録すると、そのアカウントのコンテンツがGoogle検索やDiscoverでどう見つけられているかを、Search Consoleの画面で確認できるようになります。提供は数週間かけて、段階的に進んでいるところです。まだ自分の管理画面に出てきていなくても、心配はいりません。

ここで少し立ち止まってみてください。これまでのSearch Consoleは、自分が持っているドメインやURLを登録して使う道具でした。所有しているものを、所有者として管理する。そういう場所です。そこに、自分のものではないサービスの上に間借りしているアカウントが並ぶことになります。これは、なかなか大きな方針転換です。

公式の説明と、その先にありそうなもの

Googleの公式な位置づけは、あくまで「各プラットフォームでの検索パフォーマンスを可視化するための機能」です。実際、日々の使い道としてはそのとおりでしょう。どの投稿が検索やDiscoverから拾われているのかが見えるようになれば、サイトの記事づくりとSNSの発信を、同じ地図の上で考えられるようになります。それだけでも十分ありがたい話です。

ただ、検索マーケティングの視点で眺めると、ねらいはもう一段先にあるのではないか。私たちはそう考えています。エンティティ(実体)の統合と、発信者の実在性——つまりE-E-A-Tの証明を、より確かなものにすること。そちらが本命ではないでしょうか。

そう考える理由を、二つに分けてお話しします。

1. 「同じ人が運営している」ことを証明できる

ひとつめは、同一人物・同一組織であることの証明です。「このWebサイトを運営している人」と「このSNSアカウントを運営している人」は同じである。その事実を、所有権の確認という手続きを通して、Googleへ直接シグナルとして送れるようになりました。

これまでは、自分から「同じです」と申告する手段しかありませんでした。プロフィール欄にサイトのURLを書く。サイト側からSNSへリンクを張る。どれも有効ではあります。ただ、裏づけまでは取れていません。極端な話、他人のアカウントを自分のものだと言い張ることもできてしまいます。所有権の確認は、そこにひとつ確かな土台を足してくれます。

2. ナレッジグラフの確度が上がる

ふたつめは、ナレッジグラフの精度です。従来、サイトとSNSアカウントの紐づけは、sameAsなどの構造化データやリンクで示すのが基本でした。たとえば、次のような書き方です。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Organization",
  "name": "組織名",
  "url": "https://example.com/",
  "sameAs": [
    "https://www.youtube.com/@example",
    "https://x.com/example"
  ]
}
</script>

この書き方がこれから不要になる、という話ではありません。ただ、書いた本人が「これは自分のアカウントです」と主張しているだけ、という性質はどうしても残ります。Search Consoleでの所有権確認は、それよりはるかに確度の高い証明になります。なりすましではない「本物のアカウント」のシグナルだけを正確に拾えるようになる点も、見逃せないところです。

言いかえると、こういうことです。Googleはすでに、世の中にどんなSNSアカウントがあるかを認識しています。足りていなかったのは「そのアカウントを、どのWebサイトの運営者に紐づけて評価してよいのか」という確証のほうでした。今回の機能の本質は、そこにあるのかもしれません。

やっておきたい準備は、そう多くありません。まずは、自分たちが本当に運用しているアカウントの棚卸しです。昔つくったまま放置しているもの。担当者が個人で開設したまま引き継がれていないもの。そういうアカウントが残っていないか、この機会に確かめておきましょう。そのうえで、サイト側のプロフィールや会社概要ページからのリンク、構造化データのsameAsの記述を、実際の運用状況とそろえておく。準備としては、これで十分です。実態を整えてから紐づける。順番だけ、間違えないようにしてください。

「何が書かれているか」から「誰が発信しているか」へ

この発表を単体の機能追加として見ると、SNS運用の話で終わってしまいます。けれど少し引いて眺めると、ここ数年の流れとまっすぐつながっているのがわかります。

検索が問うてきたものは、少しずつ移ってきました。かつては「どんなキーワードが書かれているか」。やがて「どんな内容が書かれているか」。そしていまは、「それを誰が発信しているのか」。E-E-A-Tという言葉が広く使われるようになったのも、この移り変わりの延長線上にあります。

生成AIの広がりが、この流れを後押ししています。ちょっとした調べ物や情報収集なら、AIに聞けば済んでしまう。そういう時代へ進んでいくでしょう。書かれている内容だけで差をつけるのは、年々むずかしくなっていきます。だとすれば、これからのサイトは何を持っていればいいのか。私たちが大切だと考えているのは、次の三つです。

1. 読んで終わらない場所をつくる

これまでの主流は、自社サイトで記事を書き、検索から来てくださった方に読んでいただく、という形でした。ただ、読み終えたらそれきり、では、次につながりません。訪問者によって蓄積されていくデータや、サイト上で完結するサービスを用意して、エンゲージメントを高めていく。そんな発想が必要になってきます。

たとえば、CGM(ユーザー投稿型コンテンツ)のように、やりとりのなかから生まれてくるコンテンツ。あるいはシミュレーションや便利ツールのように、訪問者にアクションを促す仕掛け。用があるからまた来る。その再訪問が、少しずつ積み重なっていきます。

誤解のないように補足しておくと、記事を書くのをやめましょう、という話ではありません。丁寧に書かれた記事は、いまも変わらず入口として働いてくれますし、その事業者が何に詳しいのかを伝える役目も担っています。お伝えしたいのは、記事だけで勝負する前提を置かないほうがいい、ということです。読んで終わる場所と、使うために戻ってくる場所。この両方を持っておく。少しずつ設計を足していければ十分です。

2. 独自のデータを持っていると示す

一歩進めるなら、会員登録制の「ここでしか得られないクローズドなコンテンツ」を用意するのも一手です。すべてを開いておくのがいいとは限りません。

閉じてしまったら検索に拾われないのでは、と思われるかもしれません。ただ、ここで効いてくるのは「中身が読まれること」ではなく「そういうデータを持っている事業者だと知られていること」のほうです。生成AIには持っていけない独自のデータを自分たちが持っている。そう示すこと自体が、かえって評価につながるという考え方です。リード獲得という面から見ても、効果は小さくないはずです。

3. 活動を外に届け、言及される

三つめは、サイトの外の話です。Googleが見ているのはコンテンツだけではありません。発信者そのもの——どんな活動をしていて、どんな評価を得ているのか。そこにも目が向けられています。

日々の活動を自社サイトの中だけで発信していても、届く範囲はどうしても限られます。自分で語る言葉より、誰かに語ってもらった言葉のほうが、遠くまで届きます。

そのために必要なのは、取り上げてもらうための素材です。新しいサービスを始めた。拠点を増やした。独自に調べたデータがまとまった。地域の取り組みに関わった。どれも、社内では当たり前になっていて、わざわざ知らせるほどでもないと見過ごされがちなことばかりです。けれど外から見れば、立派なニュースになります。まずは、自分たちの活動のうち何が外に出せるのかを書き出してみるところから始めてみてください。

その手段のひとつが、プレスリリースです。ただ、品質の高い配信サービスは決して安くありません。かといって無料のところは、スパムの温床になってしまっているケースが少なくないのが実情です。「出したくても出せない」。そんな声を、私たちも何度となく聞いてきました。それならば自分たちでつくろう、ということで立ち上げたのが、法人承認つきの無料プレスリリース配信サービス「プレニカ」です。

ブランド力を育てることが、遠回りに見えていちばん近い

2026年7月は、順位の変動という意味では静かな月でした。そのぶん、Googleが何を見ようとしているのかが、かえって見えやすかった月だったともいえます。あらためて整理しておきましょう。

  • エンティティを紐づける
    Search Consoleのプラットフォームプロパティで、サイトとSNSアカウントの運営者が同じであることを証明する。使えるようになったら登録する。その前に、アカウントの棚卸しとsameAsの記述を実態にそろえておく。
  • 読んで終わらない場所をつくる
    CGM・ツール・シミュレーションなど、訪問者のアクションが蓄積される仕組みを持つ。記事は入口として残しつつ、戻ってくる理由を用意する。
  • 独自のデータを持っていると示し、外から言及される
    会員制のクローズドな情報も選択肢に入れる。あわせて、プレスリリースなどで活動が外部に取り上げられる機会をつくる。

三つに共通しているのは、いずれもブランド力の強化につながるということです。ブランド力が高まれば、再訪問が増え、指名検索が増え、外からの言及も自然と増えていきます。

そうなれば、GoogleやAIの側から見ても判断しやすくなります。どこが人気を集めているのか。誰が適切で貴重なデータを持っているのか。その輪郭がはっきりしてくるぶん、結果として高く評価されやすくなるはずです。小手先の順位対策ではなく、名前が覚えられていく状態をつくること。遠回りに見えて、AI時代の検索ではこれがいちばん確かな道だと、私たちは考えています。

SEO Note! Team

SEO Note! Team (SEO施策スタッフ)

SEOエンジニア、マーケター、ライター、編集担当からなる専門チームです。技術的なサイト最適化からコンテンツ戦略の立案、記事の執筆・編集まで、SEO施策を一気通貫で対応できる体制を整えています。10万パターン以上のキーワード対策と3万を超えるドメインの運用で培った実践的なノウハウをもとに、机上の理論だけでは得られない現場視点のSEO支援を提供しています。

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