2026年3月は、Googleから2つの重要なアップデートが立て続けに展開された月となりました。3月24日に開始されたスパムアップデートに続き、わずか2日後の27日にはコアアップデートの展開が始まっています。2月にはGoogle Discoverのみを対象としたアップデートが実施されましたが、今回はオーガニック検索全体に影響が及ぶ大規模なものであり、多くのサイト運営者にとって注視すべき動きです。2025年後半から2026年にかけて、Googleはアップデートの頻度を上げながらも、各アップデート間の連携をより緊密にする傾向を強めており、今回のスパムアップデートとコアアップデートの連続展開もその一環と見ることができます。

本レポートでは、それぞれのアップデートの内容と影響範囲を整理したうえで、現時点で取るべき対応策と今後の見通しについて、私、柏崎の見解を交えてお伝えします。なお、コアアップデートは本レポート執筆時点(2026年4月初旬)でロールアウトが継続中のため、最終的な影響評価は完了後に改めてご報告いたします。まずは現時点で判明している事実と、そこから読み取れる傾向について整理していきます。アップデートの背景にあるGoogleの意図を正しく理解することで、目先の変動に惑わされない判断が可能になるはずです。
今回展開された2つのアップデートの概要は以下の通りです。
| アップデート名 | 展開開始日 | 所要時間 | 対象範囲 |
|---|---|---|---|
| March 2026 スパムアップデート | 3月24日 | 約19.5時間(史上最短) | 全言語・全地域 |
| March 2026 コアアップデート | 3月27日 | 約2週間(見込み) | 全言語・全地域のオーガニック検索 |
March 2026 スパムアップデートの内容と位置づけ
3月24日から25日にかけて、2026年初となるスパムアップデートが実施されました。Googleの公式発表では「全言語・全地域を対象とした通常のスパムアップデート」と説明されており、スパムポリシーに抵触するコンテンツや不自然なリンク構造を持つサイトへの対処が主な目的とされています。このアップデートで特筆すべきは、展開完了までの所要時間が約19.5時間と史上最短を記録した点です。通常のスパムアップデートは数日から1週間程度を要することが多く、過去の事例と比較しても今回の速さは異例といえます。
過去のスパムアップデートのロールアウト所要時間と比較すると、今回の速さが際立っていることがわかります。従来は数日から数週間を要していたのに対し、今回はわずか約0.8日で完了しており、Googleのスパム検出システムが大幅に効率化されたことを示唆しています。
出典: Search Engine Land / Google Search Status Dashboard(2024-2026年)
スパムアップデートの影響を受けやすいのは、大量の低品質ページを自動生成しているサイトや、有料リンクやリンクファームを活用してランキングを操作しようとしているサイトです。正当なSEO施策を行っているサイトであれば、スパムアップデートによる直接的な悪影響を受ける可能性は低いと考えて差し支えありません。
私の見解としては、このスパムアップデートは単独で完結するものではなく、直後に展開されたコアアップデートに向けた事前調整、いわばパッチ的な役割を担っていると考えています。スパムアップデート単体ではインデックスやデータベースへの直接的な影響は限定的であり、コアアップデートのランキングシステムが本格的に稼働する段階になって初めて、その効果が顕在化してくるものと見ています。つまり、スパムの判定基準やフィルタリングのロジックを先行して更新しておくことで、コアアップデートのランキング再評価がより精度の高い状態で実行されるという構図です。スパムアップデートの展開完了からコアアップデートの開始まで約1日半という極めて短いインターバルも、この推測を裏づける要素のひとつと捉えています。なお、この段階でスパム判定を受けたサイトにはSearch Consoleを通じて手動対策の通知が届く可能性がありますので、念のためご確認いただくことをお勧めします。
March 2026 コアアップデートの展開と影響範囲
スパムアップデート完了の直後、3月27日午前2時(太平洋時間)から2026年初のコアアップデートの展開が開始されました。Googleからは完了まで2週間程度かかる見込みとの案内が出ており、ロールアウト完了はおおよそ4月中旬になると予想されます。現時点ではまだ展開途中であり、検索結果の順位は日々変動している状況です。Search Consoleのパフォーマンスレポートで通常とは異なる変動が見られたとしても、この段階では正常な挙動の範囲内である可能性が高いことをご理解ください。
今回のコアアップデートで注目すべきは、その適用範囲の広さです。2月のアップデートがGoogle Discoverのみを対象としていたのに対し、今回は全言語・全地域のオーガニック検索結果に広く適用されます。Googleは従来通り「ユーザーに役立つコンテンツ作りに注力してきたサイトは特別な対応不要」というスタンスを示していますが、私はこのコアアップデートが、スパムアップデートや2月のDiscoverアップデートを含めた一連の品質向上施策の最終段階にあたる可能性が高いと見ています。
また、前回2月のレポートでお伝えした「候補セット」の切り替えによる順位変動が、引き続き今回のコアアップデートにも影響を及ぼしている可能性があります。候補セットとは、Googleの検索システムが特定のクエリに対してランキング評価の対象とするページ群のことを指しますが、この候補セットの構成が変わると、これまで上位に表示されていたページが一時的に順位を落としたり、逆にこれまで表示されていなかったページが急浮上したりすることがあります。ロールアウト完了前の段階でこうした変動に一喜一憂し、急いで施策を変更することは、アップデート完了後の安定した評価を得るうえで逆効果になりかねません。現時点では静観が得策であり、ロールアウト完了後のデータが十分に蓄積されてから判断することが重要です。
Google Search Status Dashboardでは、現在進行中のコアアップデートのステータスをリアルタイムで確認できます。

現時点での推奨対応策
コアアップデートのロールアウトが継続している現段階では、大きな施策変更を控えることを強く推奨します。順位の一時的な変動に反応してコンテンツを大幅にリライトしたり、内部リンク構造を急いで変更したりすることは、かえってリスクを高める要因になりかねません。特にロールアウト中は、同じページの順位が日によって大きく上下することも珍しくないため、短期的なデータに基づく判断は避けるべきです。過去のコアアップデートでも、ロールアウト中に大幅に順位が下落したものの、完了後には元の水準に回復したという事例は数多く報告されています。
一方で、E-E-A-Tの観点は今後も変わらず重要な評価軸であり続けます。以下の4つの要素は、アップデートの有無にかかわらずGoogleが一貫して重視している基準です。
- Experience(経験)
実体験に基づくコンテンツであるかどうか。実際に商品を使用した感想や、現場での実務経験に基づく知見がこれにあたる - Expertise(専門性)
そのトピックに関する十分な知識や技能を持った人物・組織が発信しているかどうか - Authoritativeness(権威性)
当該分野において信頼できる情報源として認知されているかどうか - Trustworthiness(信頼性)
サイト全体の正確性、透明性、安全性が確保されているかどうか
自社でしか発信できない独自情報や、実務経験に基づく一次データの蓄積については、アップデートの展開中であっても引き続き積極的に取り組んでいただいて問題ありません。これらはアップデートの影響を受けにくく、むしろ長期的にサイトの評価を底上げする資産となるものです。
加えて、AI生成コンテンツの普及により検索結果上に冗長なページが増加している昨今の状況も考慮に入れるべきでしょう。結論や重要な情報をページ冒頭に配置する構成への見直しは、ユーザビリティの向上はもちろんのこと、クローラーの負荷軽減やインデクサーの解析効率向上といった技術的な観点からも有効です。Googleが限られたクロールバジェットの中で各ページの主要な情報をより効率的に取得できるよう、コンテンツの構成を最適化しておくことは、今後ますます重要になってくると考えています。ただし、大規模なリライトや構成変更については、コアアップデートの完了を待ってからデータに基づいて判断し、本格的に着手することをお勧めします。
今後の見通し
コアアップデートのロールアウト完了は4月中旬を目処に見込まれます。完了が確認でき次第、改めて順位変動の傾向分析と影響評価のご報告をいたします。それまでの間は、現在の施策を維持しつつ、E-E-A-Tの強化に資するコンテンツの整備に注力していただくことが最善の対応です。
今回のアップデートサイクル全体を俯瞰すると、2月のDiscoverアップデートから3月のスパムアップデート、そしてコアアップデートへと、非常に短い間隔で連続的に展開されている点が特徴的です。これは、Googleが検索品質の向上に対して個別のアップデートを散発的に実施するのではなく、より一体的かつ段階的なアプローチを取り始めている兆候と捉えることもできます。各アップデートが相互に連携し合いながら、検索結果全体の品質を段階的に引き上げていくという戦略が、今後さらに顕著になっていく可能性があるでしょう。
また、今回のコアアップデート完了後も、2026年中にさらなるアップデートが実施される可能性は十分にあります。過去の傾向を踏まえると、年に3回から4回程度のコアアップデートが実施されるのが通例であり、今回が今年最初のコアアップデートである以上、今後も同様の規模のアップデートが続くことを前提に備えておく必要があります。短期的な順位変動に振り回されるのではなく、中長期的な視点でサイトの品質向上に取り組むことが、結果的にアップデートへの最良の対策となります。引き続きアップデート動向を注視し、ロールアウト完了後の次回レポートで詳しくお伝えしてまいります。


